太田さんが悪い。
レッドドラゴンいきおいでコピー本を出してしまった。
「レッドドラゴン」はTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)の手法で
記された、初心者にとって非常に敷居が高い本である。
これは編集者の太田さんが悪い。
しかも星海社のサイト「最前線」で素敵なBGM付きで無料公開されているため、
有料の書籍の立場がない。星海社の副社長である太田さんが悪い。
人気作家陣が主要キャラになりきって物語を構築する贅沢な企画なのに知名度が低い。
編集長でもある太田さんが悪い。
「レッドドラゴン」では、物語の本筋とキャラクター、作り手と演者の本音が混合して
語られる。これはいわば初めて観る映画でオーディオコメンタリーを同時に表示させながら
鑑賞するようなもので、物語に集中するには慣れが必要である。
仕事で中二病を悪化させた太田さんが悪い。
「指輪物語」を心のバイブルとするSERA WORKS代表者が、これは面白い! と
仲間(絵描き)に勧めても、まず読み難くてイヤだとはじかれてしまった。
こういう人は多かろう。あまりに惜しい。
そこで「レッドドラゴン」のリライトを試みた。楽屋裏の発言を全て削りつつ、
うまく地の文章に必要な要素を残すノベライズ作業だ。
物語の純粋な部分だけを精製・抽出することで、新たな魅力を発見できた。
リライトの80%は本文のコピペであるため世に出すことはできないが、
読まず嫌いの仲間を攻略することには成功。その結果がこのコピー本であり、
できれば今後コミカライズ同人誌を出してみたいと考えている。
この苦労、なにもかも太田さんが悪い。
2012年・秋 SERA WORKS代表
(本文は「ビアンカ・オーバースタディ」筒井康隆著/星海社のあとがきパロディです)
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