セシウムベリー ジャム
感想系
谷賢一さん主催の劇団 DULL-COLORED POP の
活動再開記念公演 『 Caesiumberry Jam 』を
作画担当さんと観てきました。

・・・あっ。パンフレットを立てかけて写メしたら歪んだ;
眠れないので、真面目に感想を書きます。(後で修正するかも)
!(注意)作品のネタバレしまくっています!
8/20~8/28まで、池袋シアターグリーン Box in Boxにて絶賛上演中!
~~~~~これは、今観て重みが十倍増しになる舞台です!
活動再開記念公演 『 Caesiumberry Jam 』を
作画担当さんと観てきました。

・・・あっ。パンフレットを立てかけて写メしたら歪んだ;
眠れないので、真面目に感想を書きます。(後で修正するかも)
!(注意)作品のネタバレしまくっています!
8/20~8/28まで、池袋シアターグリーン Box in Boxにて絶賛上演中!
~~~~~これは、今観て重みが十倍増しになる舞台です!
2007年の初演で、DULL-COLORED POPと谷賢一を、小劇場界で躍進させた作品であり、
20110311後の日本人が観るには重すぎる”チェルノブイリ30キロ圏内にある村の物語”
その村の名は、ナジロチ村。
19860426のチェルノブイリ原発事故から五年。立入禁止地区の村で、
”これまでと同じ”生活を送る村人達に、彼らは出会う。
数年ごとに村を訪れ、写真を撮り手記を綴った日本人カメラマン。
行方不明の弟をナジロチ村で見つけ、図らずも村に係わったゴゴ(本名エストラゴン)。
二人の男達の回想という形で、ナジロチ村の1991年、1993年、1994年、1995年の
情景が断片的に浮かび上がり、最後に語られる平和で穏やかな1985年。
そして、1986年の悲劇。
ただ、誰もが愛していた。愛していたのに・・・。
驚くほどシンプルで雄弁な舞台装置。”土”を舞台に敷いてしまっている!
私達が観た二日目は雨だったのでまだ良かったのですが・・・空気が乾燥してたら
土埃で劇場中が大変なことになっていたのは想像に難くありません。
受け付けでマスクを用意してるなんて、妙だと思ったんですよねぇ。(必須アイテム?)
その土の使い方が感動的! トンボで成形して様々に白い床部分を見せるだけで、
現代的なマンションの床にも、散らかった学校の床にも、農家にも見えてくる!
役者のアクションで土を蹴る、撒くなどの繊細な表現もできて、魔法のようでした。
冴え渡る演出は魔術師の手腕。全く音響を使わず、声と気配で臨場感を出してしまう。
村人達が一斉に動き出すと雑踏の気配が立ちこめ、片隅では猫が愛を語らう。
どこかに指揮者がいるのではないかと疑うほどの完成度。演じる役者達も素晴らしい。
小さな舞台空間で大人数を動かすのは至難の業なのだと思いますが、
まるでレイヤーのように透き通った空間がいくつも重なって存在するのを
観客は苦もなく認識できる。その全体像と、個々の場面の美しさ。
文句なく素晴らしい舞台だったのに、拍手しそびれる観客の気まずさよ・・・。
(フォローのつもりで、走り書きの感想/アンケートを書いてしまいました)
この舞台、重すぎて終わった気がしないし、気軽に拍手できない。
~~~数日後に、拍手させないことが演出の一部だったと気がついた。
「今、どこにいるかわかっているか?」と何度も舞台で問われる。
自分に対して拍手が送れない限り、この気まずさがまとわりつくのだろう。
2007年の初演は観ていませんが、後から通販で台本は読みました。
今回、脚本の細かい変更はあっても大筋は同じ。初演版を読んで感じたことと、
3/11以後の私達がこの再演を観て感じることの間には、大きな溝がある。
今、日本で生きている人で、この舞台を気軽に面白いと言える人はいないし、
ああいいものを観た! と明るく拍手できる人もいないのだろう。
今回の舞台では、原発がいいとか悪いとかの話は全くしていない。
二時間たっぷり使う舞台で、観客にも気力が必要だ。
綿密な資料に基づく架空の舞台。”その場所”を愛し、そこに生きる人を愛した
人間達の物語。それは現実よりも真実に近い。だからこれは、愛の物語。
私個人としては。見終わった後に、無性に福島の桃が食べたくなりました。
福島名産の桃。今年の桃は甘くて上出来で、放射能値だって安全値なのに、
売れなくて哀しいと生産者がインタビューで言っていた桃。
香り高い果汁滴る桃が、食べたい。そして美味しいよと伝えたい。
ささやかな愛の渇望。でも積み重なれば奇跡になる。
この時期に、この舞台を再演してくれた谷賢一さんに心から感謝を。
個性派揃いで劇団として再活動する DULL-COLORED POP にエールを!
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