1:マンガ原稿のスキャン

電子書籍
03 /14 2013
これは、当方が手描きのオリジナル漫画を電子化するにあたって
色々な手を模索した課程を記録してゆくものです(現在進行中)。
「これが絶対」とは口が裂けても言えません。参考程度にご覧下さい。


自分で描いたマンガを電子書籍化してKindleストアに流したい場合、
まず最初に立ちはだかるのが「原稿のスキャン」です。
(最初からデジタルで作画している方には関係ない項目です)


◆大前提

・完成したマンガ原稿が手元にあること。
・原稿の著作権が自分にある、
 または著者の許可を得ていること。


・過去に出版社を経由して世に出たモノに関しては、担当編集部や出版社へ
 その原稿を電子化していいか許諾を得ること。



◆スキャナで原稿を読み込む

   一般的な白黒マンガ原稿なら、スキャナの設定を
   「解像度600dpi以上」 「グレースケール」 「文字モード」
   「保存形式:JPEG」 
にする。
  
   *「文字モード」はなくてもOK!
   *「保存形式」は、絵の大きな変更がないなら「JPEG」で保存。
    デジタル上で絵に変更を加えるなら、BMPなどベクターデータに保存。

   電子化には家庭用スキャナの性能で十分です。
   印刷するのでなければ、解像度1200dpiは必要ないでしょう。
   (未来の技術進歩を想定内で、推奨書き出し解像度は300dpi)
   (現在のディスプレイ解像度は 72~90dpiがほとんどで、200dpi近くは少ない)



◆取り込んだ画像を画像処理ソフトで補正する
  (*当方が現在使っているのは、PhotoShop5.5です。そろそろ新しくしたい・・・;)

 ◇PhotoShop上の「イメージ」から→「グレースケール」で、保存を確認。
  「色調補正」→「明るさ・コントラスト」を「+20~50」で、紙のそのものの色を消す。
  「自動コントラスト」をかけて、ベタ(黒)をくっきりさせる。

 ◇スキャン時に画像がナナメになっていた場合(トーンのモアレを減らすため、
  原稿をスキャン時にナナメにするという説もあるが、当方では確認できず)
  「定規」と「画像の回転」ツールで角度を修正。

 ◇「選択ツール」→「イメージ」→「切り抜き」で、
  タチキリ(余白)の端っこなどの明らかにいらない部分をカットする。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上の作業で、できた画面がこちら↓
マンガ電子化の下準備終了画像として、この段階で必ず保存しておきましょう。
grey001.jpg


ただし、B4サイズの投稿用原稿用紙に対応したスキャナを持っていない場合
大きい画面を分割スキャンする手間と時間をかけるより、縮小コピーをオススメします。
(上記画像は、A4に縮小コピーしたものを安い家庭用スキャナで取り込んだものです)

◆前準備:B4の手描き生原稿をコピー機でA4サイズに縮小する
  近場のコンビニ等のコピー画質を比べて回って、一番きれいな(自分の納得する)
  コピー画質でA4に縮小コピーすれば、まず問題ありません。



・・・・・・だが待て。
コンビニの複合コピー機には画像書き出し機能があるじゃないか!
と、気がついてやってみたの巻は・・・・・・「続きを読む」をクリック↓
     


◆コンビニの複合コピー機で画像書き出し
  まず大難関。2013年3月現在のコンビニのコピー複合機では
  「400dpi・カラーモード」でしか書き出しに対応していない。

  (*JPEGで、自分で用意したUSBメモリに書き出す形)

  B4の生原稿を、400dpi・カラーで読み込むとこうなります。
c_001.jpg
  原稿用紙の青いガイド印刷がうっすら見えるのがご愛敬↑


◆とりあえず、画像補整してみた
  PhotoShop上で「イメージ」→「グレースケール」に変換。「自動コントラスト」。
  余白をカットしてリサイズしたもの。

c_g001.jpg
~~~いやこれ。縮小コピーの方がキレイだよ・・・と気がつくまでに
どれほどの時間を無駄にしたか・・・・・・あえて、ここに残します。

★ちなみに、上記三つの画像は全て解像度72dpiで90KB以下に圧縮しています。



◇マンガ原稿スキャンのポイント
  原稿の描き方によって、それぞれ最適のスキャナ設定があります。
  まずは、手持ちのスキャナの設定をいじってみて、自分の画面(好み)に合う
  細かい設定変更を把握するのが吉です!

  当方の家庭用インクジェット複合機は実売5千円ぐらいの廉価品ですが、
  マンガ原稿の電子化に関しては全く問題ないです。


  ぶっちゃけ、消しゴムのかけ方が荒いかどうかで最適設定は変わってしまう。
  主線の細さや太さ。トーンの重ね貼りの好み。修正液の使い方・・・。

  自分の原稿のどこを生かして、どこを抑えたい(消したい)のか。
  そこを考えながら、後々の電子化作業が楽になるようにスキャンしましょう!

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